カリキュラム

平成28年度産業技術実習

産業技術実習について

 科学技術イノベーション研究科では、必修科目として「産業技術実習」が1年次後期に開講されます。この科目は、研究成果の産業化に欠かせない生産プロセスの現場に準ずる設備や装置を用いて実践的な教育を行い、本研究科の誇る先端科学技術のエッセンスを実習により体得することを目指しています。
 また、自分の所属分野の実習だけでなく、他分野の実習も体験することで、学生が視野を広げ、学際的な視点を身につけることも目標としています。どの実習においても、他分野の学生でも内容を十分理解できるよう、はじめに基礎的な部分から解説を行った後、教員の指導の下、本格的な実習を実施しています。
 今年度の実習内容は以下のとおりでした。

 

バイオプロダクション分野

 統合研究拠点において、動物細胞(CHO細胞)の培養、サンプリング、細胞数測定及び顕微鏡観察、SDS-PAGEによる生産量の定量等、バイオ医薬品の製造プロセスに関する実習を行いました。
 学生たちは、はじめにバイオ医薬品について基礎的な知識を講義形式で学び、その後、教員が普段から使用している実験施設において、実際の製造プロセスの一部を体験しました。他分野に所属する学生からは、「実際に機器を利用して、普段の研究とは全く違う分野の実験ができたのは貴重な経験だった」との声が聞かれました。
 また次世代バイオ医薬品製造技術研究組合(MAB)のGMP施設の見学を行い、バイオ医薬品の製造プロセスについてさらに理解を深めました。

 

先端膜工学分野

 先端膜工学研究拠点において、非溶媒誘起相分離(NIPS: Nonsolvent Induced Phase Separation)法による中空糸膜の製膜および測定の実習を行いました。
 学生たちは、はじめに分離膜の種類、材料、構造などについて講義形式で学習し、身の回りのものと膜との関わりについて理解を深めました。その後の実験においては、ラボスケールの小規模装置ではなく、実機スケールの商用製膜装置を用いて、膜の作製から性能評価までを体験することで、大規模・大量に安定した品質の製品を作るうえでの難しさや注意点について、実践を通して学ぶことができました。
 また事業立ち上げにかかるコストや企業の製造スケールの大きさについて、実務家教員から説明を聞くことで、「研究の産業化について具体的なイメージをもつことができた」「研究に対するモチベーションが上がった」との声も聞くことができました。

 

先端IT分野

 自然科学総合研究棟3号館において、IoTデバイス(今年度は温度・湿度センサー)の開発と、デバイスを活用したビジネスプランの立案を実習として行いました。
 学生は複数のグループに分かれ、各グループのメンバーでCEO(最高経営責任者)、CTO(最高技術責任者)、CMO(最高マーケティング責任者)、CFO(最高財務責任者)、COO(最高執行責任者)を分担し、実習を行いました。
 まずCTOが中心となって温度・湿度センサーのデモ機の開発を行い、その後、そのセンサーを活用した事業について、各役割の観点から意見を出し合いながら、独自のビジネスプランの作成を進めました。
 多くの学生は、すでに多様な製品・サービスが存在している中、どのようにして独自のビジネスを展開するのか、またどのようにしてビジネスとして成立させるのか、といった問題に苦戦していましたが、解決策を考える上で、「アントレプレナーシップ関連の科目で学んだ、事業戦略やファイナンスに関する知識が役に立った」との声が聞かれました。
 実習の後半には中間発表を行い、事業内容の新規性や実現可能性についてお互いに積極的に意見を交換し、より完成度の高いビジネスプランの作成に取り組みました。

 

先端医療学分野

 統合研究拠点において、情報収集とその整理手法の概要、また生命科学の研究や創薬研究における代表的なデータベースやプログラムの概要とその利用方法に関する実習を行いました。
 学生は、企業・研究機関において使用されているMOE(Molecular Operating Environment)等のソフトウェアを実際に操作し、抗体や小分子医薬品デザインの専門的な内容に触れるだけでなく、データベースを活用した情報収集、またEvernoteやX-mindを用いた情報整理の方法など、どの分野の研究においても必要なスキルの習得にも取り組みました。
 また、スーパーコンピュータ「京(けい)」及びFOCUS(公益財団法人 計算科学振興財団)の見学を実施し、スーパーコンピュータを活用した最先端の科学技術の概要・応用事例、そして各自の研究内容とスーパーコンピュータとの関連について知見を広げました。


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