修了生からのメッセージ

現在、私は国立研究開発法人情報通信研究機構で、無線通信とEMC（電磁環境両立性）に関する研究開発に携わりながら、研究科発のスタートアップである株式会社セカフィーでハードウェアセキュリティの脅威診断と対策支援の事業を進めています。どちらにおいても電子機器が発する電磁波から、人々の生活を便利にする製品やサービスを、より安心かつ安全に利用できることを目指しています。

科学技術イノベーション研究科の前期課程で、理系専門分野の研究を社会実装することに関心を持ち、後期課程へ進学しました。在学中は、専門である先端IT分野やアントレプレナーシップ分野の先生方と日常的に議論し、理系研究者とアントレプレナーそれぞれの思考を学びました。また、講義の中で実際の投資家や事業家、弁護士の方々と自分の事業計画について議論する機会を持つことができたのは非常に貴重な経験でした。

現在勤務している国立研究所では、在学時と同様のテーマで研究していますが、大学よりも研究成果を社会実装することを強く求められています。そのため、研究テーマの設定や出口戦略を検討する際に、科学技術イノベーション研究科で学んだ知識を活かしています。また、研究科発のスタートアップでの活動は、自分が作り上げた事業戦略を実際に社会実装する場であり、在学中の経験が直接役立っています。これからも自分の研究成果が価値のあるものとして社会実装できるよう、先生方から学んだことを活用していきたいと考えています。

本研究科では、一人ひとりに寄り添い熱心に指導いただける先生方からイノベーションの創出に求められる知識を学ぶことができます。また、同級生の学生は、バイオ、IT、膜、医療と異分野の専門知識を持つため、幅広い視野を獲得することができます。こうした独自の環境で学ぶ実践的な知識・経験は、自分自身の競争力を高め、様々な場所で求められる人材になるための基盤となるはずです。ぜひ、当研究科で新しいチャレンジをしてみてください。