修了生からのメッセージ
Messages from Alumni
企業の研究者であった私が当研究科に入学した理由は、発展性の大きな研究分野に身を置くことに加え、その研究成果をビジネスに繋げるための力を得たいと考えたからです。当研究科の博士課程前期課程には、先端膜工学を含む4つの分野がありますが、何れも将来的な発展が強く見込まれる研究分野になります。大学院入学までに私は、有機合成や触媒等の比較的成熟した分野の研究を担当しました。その中で、技術的な課題のため未だに広く普及していないものの、実現した際のインパクトが大きい研究にも携わりたいという思いもあり、当研究科の分野に魅力を感じました。また、研究成果をビジネスに繋げるためには、その先の事業化検討が重要になりますが、理系人材でありながら事業化に必要な知識を習得できることも、当研究科の大きな魅力であり、以上の理由から入学を決断しました。
在学中は、油水エマルションを分離させる膜の開発に従事しました。初めて触れる分野の研究において、2年間で成果を残すことができるのか当初は不安でしたが、様々な先生方からの指導や恵まれた設備環境の下、学会発表や論文執筆にも携わることができました。そして講義では、経営や知財戦略等を学び、修士論文作成にあたっては、経営を専門とする先生方から個別に指導を頂きながら、自身の研究成果(=油水分離膜)を事業化させるための検討を行いました。
現在は、化学メーカーにおいて既存プロセスの改良に携わっていますが、ここでの業務経験を十分に積んだ上で、将来的には、当社ならではの新規プロセスの開発に挑戦することが目標です。この際、当研究科で学んだ市場分析や事業性評価、コスト試算等の知識を存分に生かしたいと考えています。
当研究科でしか得られない貴重な学びが沢山あります。きっと良い経験になると思いますので、私のように入学前の専門分野が異なる方でも、興味があれば門を叩いてみて下さい。