修了生からのメッセージ

企業経験を経ての入学ですが、関心のあった専門分野（バイオプロダクション分野）で産学連携を含め先進的な研究がなされている点、そして、研究を社会実装するためのアントレプレナーシップを融合的に学べる点に魅力を感じ、科学技術イノベーション研究科を志望しました。在学時は文系・理系双方の教員から指導いただきながら、合成生物学的アプローチによって機能性食品素材を効率的に生産する微生物の研究開発を行い、その実証を基にした独自のモノづくり技術をコアとするイノベーション・アイデアを案出する一連のプロセスに実践的に取り組みました。

現在、在学時に立ち上げた株式会社シンアートにおいて、モノづくり技術、そして資源の持続的発展という大きな課題の解決を目指し、合成生物学と合成化学の融合によるモノづくりを行っています。研究開発をビジネスに繋げていく上で、自らの強みやアイデアを多面的かつ客観的に分析し、本当にニーズがあるか、ある場合にCompetitiveかを計ることが重要になります。既存企業においてもベンチャーにおいても、今後益々求められる視点です。本研究科で学ぶことのできる社会科学分野の知識や手法は、まさにこうした視点を育む内容であったと感じています。

本研究科の特徴の1つでもありますが、後期課程には、進学してくる方々に加えて多くの社会人が在学しています。そのため、考え方や視点の異なる仲間と一緒に学べる環境となっており、私自身もこの多様性に大きな刺激を受けました。
文理融合ということで最初は苦労もあるかもしれませんが、将来に役立つ多くのエッセンスを効率的に学ぶことのできる研究科だと思います。新しい仲間との出会いも待っています。是非挑戦してみてください。