修了生からのメッセージ

Messages from Alumni

齋藤 俊介さん

齋藤 俊介さん

SAITO Shunsuke
現職
株式会社シンプロジェン 取締役・ 医療ビジネスユニット ユニット長
修了課程・年月
博士課程後期課程・2023年9月修了
分野・研究室
バイオプロダクション分野・バイオ生産工学研究室
指導教員
内田和久 特命教授

当研究科へ入学志望した当時、私は製薬企業の研究所に勤めており、技術を基盤とした新規テーマの企画・検証まで担当していました。新規テーマを創出する上で、技術については精通していましたが、ビジネスの側面では知識・経験も不足していたため、自身で勉強しながら業務に取り組む日々でした。MBAスクールへの進学も考えましたが、サイエンスとビジネスの両面から事業創出について学べる当研究科を見つけ、入学することを決めました。

研究室では、近年の遺伝子治療に利用されるアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの製造プロセス・品質試験に関する研究に携わりました。入学当時は、AAVベクターの品質試験法や高額な製造コスト等の様々な問題が表面化した頃です。私は、理系研究としてAAVベクターの分析技術と製造技術の開発を進め、「日本を拠点とした遺伝子治療用ウイルスベクターの受託開発」の事業化に向けて、技術・知財・事業・財務に関する戦略構築を行いました。

在学中に、当研究科発スタートアップである株式会社シンプロジェンに転職し、カリキュラムを通じて考えたイノベーションアイデアを事業として立上げ、現在、遺伝子治療領域における事業・研究開発を進めています。先生方から頂いたご助言を活かし、当研究科発のスタートアップとして、大きな成功実績を残したいと考えています。

当研究科で学んだ財務や戦略論ついて、「もっと早い時期に知識習得していれば良かった」と感じた事は多々ありました。サイエンスはもちろん重要ですが、研究成果を事業化できる能力が伴わなければ、イノベーションには繋がりません。受験を考えている理系人材の方には、従前に触れてこなかった内容がカリキュラムに多く含まれ、戸惑いもあるかと思いますが、新しい事業を創出できる人材を目指すためには必須の知識となるので、当研究科で学び、共に日本からイノベーションを生み出していきましょう!