修了生からのメッセージ

現在、私は、パナソニック ホールディングス株式会社でイメージセンサの開発およびセンシングシステムの開発に携わっており、人々の日常生活や仕事環境がより便利に、より安心安全になることを目指して開発を行っています。

科学技術イノベーション研究科博士課程を志望した理由は、現在ある技術の延長ではない、新しい顧客価値を、技術・分野融合の中から生み出し、世の中に提供していきたいと考えたからです。

科学技術イノベーション研究科では、現在の私の専門である先端IT、半導体分野にとどまらず、バイオ・医療・先端膜といった、従来はなかなか交流の持てない分野のメンバーと共に、各分野の課題とアプローチ、また、その様々な分野に対する事業戦略について学ぶことができます。ターゲットもロードマップも開発手法も全く異なる分野の取り組みを知ることは、私の視野を大きく拡げてくれました。

在学中は、高機能なイメージセンサを用いた新しいセンシングシステムの提案ということで、『人の状態』に注目したセンシングシステムの検討を行いました。世の中にはすでにセンサを用いた製品がたくさんある中で、従来の既成概念から脱却するために、悩みに悩み、先生方と多くの議論をさせていただいた時間は、とても貴重であり、あらためて感謝の念でいっぱいです。

近年、企業では、専門技術に加え、事業視野を持った人材、分野を超えて新しい価値を生み出すために動ける人材が求められています。いい技術を生み出すだけでなく、新たな顧客価値・市場価値として届けることができないと意味がないからです。
科学技術イノベーション研究科には、技術および事業に関して、知識・経験の豊富な先生方がたくさんおられ、講義だけではなく、個々の技術・事業提案に寄り添った親身な御指導をいただけます。是非、新しいチャレンジをしたい方、今までにない新しいアイデアを自分の手で実現したい方、真の“わくわく“を自ら実現するために、当研究科の扉をたたいてみてください。