修了生からのメッセージ

科学技術イノベーション研究科を志望した理由は、理系大学院生としての専門性を有したまま経営学の知識を身に着けることが出来る点です。
神戸大学の経営学研究科は長い歴史を持ち、実績のある先生方が多く所属される全国屈指の研究機関です。科学技術イノベーション研究科は、通常の理系研究科と同様の研究生活を送りながらも経営学について優秀な先生方から直接学ぶことのできる、とてもお得な研究科です。

在学時の研究内容は、半導体製造における不良検知のための技術研究と特許取得によるビジネスプラン立案です。これは機械学習による画像認識を用いて数ミクロン単位の立体形状推定をする技術を用いたもので、前期課程１年の時に特許出願を行いました。専門性を深めるだけではなく、自分が行っている研究が何の目的で誰のためのものかを常に考える経験は、今の社会人生活にも大いに生かされています。

現在は株式会社バンダイナムコエンターテインメントというゲーム会社で音楽イベントや配信番組の企画制作、プロデュースなどに関わっています。
一見すると、科学技術イノベーション研究科で学ぶこととエンターテインメントは無関係に思えますが、そのようなことはありません。
先進的で優れた技術は人を魅了し、一昔前まで妄想の中の出来事であったことを現実にします。エンターテインメントをビジネスとして成立させ、作品をお客様により長く楽しんでもらうためには経営戦略が生かせます。誰もが手に入れることのできるエンターテインメントには、優れた特許戦略が必要です。あるエンターテインメントの何が人を魅了するのかを理解するためには、フレームワークによる構造化が助けになります。変化の激しいエンターテインメント業界では、他社が次に何を仕掛けてくるかを読み解くための会計知識も必要です。
これら知識を活かしながら、最後は作り手の思いや熱量のこもった、感動を生む技術の使い方を考えていきたいと思っています。

科学技術イノベーション研究科で学んだ先の未来はとても広いことが皆さんに伝われば幸いです。