修了生からのメッセージ

当研究科の魅力と当研究科で得た学び、私が博士課程後期課程への進学を決意した経緯についてお話しします。
大学院への進学を決めた頃の私は、具体的な将来の夢も決まっておらず、「最先端の研究がしたい」「研究成果を事業化する過程を学べれば将来の役に立つかもしれない」というただ漠然とした思いで、科学技術イノベーション研究科の門を叩きました。

博士課程前期課程で過ごした二年間は毎日がとても充実した日々でした。研究活動では、「酵母における高機能化合物高生産プロセスの開発」というテーマのもと、従来、植物からの直接抽出による生産に依存している高機能化合物を、微生物を用いて高収率で発酵生産させる技術の開発に携わりました。最先端の研究を通して、研究を一から遂行することの難しさ・苦労を身にしみて感じた一方で、自らの計画通りに研究を進めることの楽しさ、自らが立てた仮説通りの結果が得られたときの達成感は格別なものでした。また、研究成果を社会実装する過程で必要な知識【事業戦略・知財戦略・財務戦略など】に関する講義では、目から鱗の連続でした。学べば学ぶほど面白く、奥が深い。自分がいかに無知であったか、研究成果を社会実装に繋げるためにどれほど詳細なビジネスプランが必要であるかを痛感しました。
研究の楽しさ・魅力に惹かれるとともに、自分が携わっている研究をもっと突き詰めたい、自分の研究成果を形として社会へ還元したいと考えるようになり、博士課程後期課程への進学を決意しました。

現在の私の夢/目標は、「自らの研究成果を社会へ還元し、現代社会の発展に貢献できる研究者になること」です。現在は、自らの研究を社会実装する上での強みや課題、戦略を常に意識しながら、ブレイクスルーの実現・具体的な事業化プランの構築を目指して、日々励んでいます。

最後になりますが、科学技術イノベーション研究科では異なる専門領域を得意とする先生方・学生と関わる機会が数多くあります。そのため、互いが知らない分野や事象を語り合い、自身の視野を大きく広げるために最適な環境・場所であると強く感じます。このメッセージが、皆さんが進路を決める一助になれば大変嬉しく思います。