修了生からのメッセージ

私が科学技術イノベーション研究科を志望したのは、理系大学院生として研究をしながら、事業戦略やマーケティング、財務、知財など経営学の知識を身に付けられるからです。私が高専および専攻科で化学・化学工学を専攻していた時、「自分が開発した製品や技術を事業化したい」と漠然と考えている中で、当時の指導教授から経営学の知見の必要性を示唆されました。それを受けて、理系の研究をしながら経営学の勉強ができる当研究科を志望しました。

在学時の研究内容は、光触媒による膜ファウリングの解消です。これは、膜材料に光触媒活性を有するナノ材料を使い、光照射によって膜ファウリングを解消するというものです。在籍中に特許出願と論文投稿という、理系学生として貴重な経験ができました。さらに、自分の研究が社会にどう役立てるか、どうすれば事業化できるかを検討することもできました。このような検討は、他では得られなかった経験だと思います。

現在は、化学会社で生産現場のトラブル解決に取り組んでいます。学生時代の研究とは異なる分野ですが、当研究科で学んだ経営学的な考え方は、生産現場の現状や問題点、改善案がどういう影響をもたらすかを考察するのに役立っています。今後、開発や企画の業務につくことがあれば、事業性評価や市場分析の知見が役に立つと確信しています。

当研究科は他では得られない経験ができる、良い学びの場だと思います。興味のある方は是非、受験してみてください。