修了生からのメッセージ

当研究科を受験した理由は、企業で実施した研究成果をビジネスに繋げる為の知識を体得する・自らを差別化するという2つの目的があったからです。
私は、企業の研究者として、水処理膜の主たる課題である膜汚染（ファウリング）を低減した膜の開発を実施していました。社会課題を化学の力で解決していくというやりがいを感じつつ、成果を社会実装する難しさを痛感しながら研究を行っていました。研究者としての知識・経験は積み重ねてきましたが、これを如何にビジネスに繋げるかの知識は本で読む程度で、実践レベルの知識を得る機会はそれほど多くありませんでした。そのような中、研究成果を自分で事業化戦略までたてることが出来れば、社内でも人材として差別化できますし、何より「やってみたい」という思いで当研究科の博士を修得することに決めました。

当研究科では、経営学的な視点から事業化に必要な理論、ノウハウ、そして事業計画書を作成するところまで一貫して学び実践できます。戦略には正解が無いので、悩みぬき、納得できる・させられるものであることが必要です。その点、業界トップレベルの先生が、時に厳しく、そして親身に寄り添って指導してくださいます。またその中で、普段会うことの無い他企業等で奮闘している同級生たちと切磋琢磨できることは非常に大きなエネルギーになりました。

学んだ内容は経営戦略に関する基本かつ重要な知識ですので、特に社内の経営計画をたてる活動では大きく役に立ちました。社内の戦略立案の活動に呼んでもらえる回数も年次を追う毎に増えていったことは、大学で学んだ成果であると実感しています。
現在は企画部門に異動し、新規事業を創出する仕事に就いています。研究職で得た経験と大学で学んだ経営の知識を組み合わせ、次世代の事業や、新しい価値が提案できる人材として頑張っていこうと思います。同じ想いで仕事をしている企業の研究者は多いと思います。是非当研究科で新しい価値に繋がる道を、一緒に切り開いていきましょう！