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機能性ガス分離膜共同研究講座が設置されました
神戸大学と株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ(以下、RER)は、2022年11月1日、「機能性ガス分離膜共同研究講座」を開設しました。本講座では、産学が密接に連携して、事業化に向けての即戦力となる高度な膜開発スキルを持つ人材を育成し、共同研究等を通して、多岐の分野に適用可能な革新的なCO2分離膜の創製やCO2分離プロセスの開発に取り組みます。
■神戸大学、RERにおけるCO2分離膜の取り組み
神戸大学では革新的CO₂反応輸送担体としてCO₂との反応性を付与した反応性イオン液体を用いることで全く新規な概念のCO₂選択透過膜の開発に取り組んでいます。最近では世界トップクラスのCO₂透過速度とCO₂選択性を有するCO₂分離膜を創製しています。RERが開発したCO₂分離膜は、バイオガス分野に展開し、2014年度から神戸大学先端膜工学研究センターと共同でNEDO事業において開発を進め顕著な成果が得られています。その後も開発が順調に進み、商業プラントへの実装段階にあります。また、RERは、2020年度にはNEDO事業で、大気中からCO₂を直接回収するDAC (Direct Air Capture:空気中400ppmのCO₂を分離・回収する)の研究開発を開始し、2029年度までの実証プラントの開発を目指しています。加えて、ここ数年は企業との協業等で発電排ガス中のCO₂除去に関する共同研究等も精力的に進めています。
(左から花井研究員、岡田特命教授、吉岡教授)
関連サイト
株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ